「ウェブデザインを学びたいけど、スクール費用が高い…」
「職業訓練校なら費用が抑えられるけど、講座内容は充実しているのか気になる」
と、どっちを選ぶべきか悩んでいませんか?
「無料なら職業訓練校でいいんじゃない?」
そう思うかもしれません。
しかし、実はスクールと職業訓練校には、目先の費用だけでは見えない「根本的な違い」があるんです。
その違いを知らずに選んでしまうと、
「せっかく学んだのに、理想のウェブデザイナーになれない…」といった後悔につながる可能性も。
この記事では、ウェブデザインスクールと職業訓練校の具体的な学習内容、受講条件、メリット・デメリット、そして気になる就職率までを徹底比較。
特にあなたの卒業後の「市場価値」や「キャリアの可能性」にどんな差が生まれるのかを深堀します。
あなたのウェブデザイナーへの道を確実に切り拓くために、ぜひ最後まで読んで、後悔しない選択をしてください。
職業訓練校でウェブデザインのどんなことを学ぶ?
職業訓練校で学べるウェブデザインは、「未経験者がWebデザイナーとして就職するために必要な基礎スキルを、体系的かつ効率的に習得する」ことに重きを置いています。
具体的には以下の内容を学ぶことができます。
Webサイト制作の基本スキル
HTMLとCSS
Webページの骨組みを作るHTMLと、見た目を整えるCSSの基礎から応用までを学びます。レスポンシブデザイン(PC、スマートフォンなど、様々なデバイスに対応できるデザイン)のコーディングも含まれることがほとんどです。
JavaScript
Webサイトに動きやインタラクティブな要素を加えるための基本的なJavaScriptの記述方法を学びます。
Web標準とSEOの基礎
アクセシビリティやユーザビリティに配慮したWebサイトの作り方、検索エンジンに評価されやすい基本的なサイト構造など、Web制作のルールと検索エンジン最適化の初歩を学びます。
デザインツールの操作
Adobe Photoshop
画像の加工、編集、バナー制作、Webサイトのデザインカンプ作成など、Webデザインにおける画像関連の作業に必須のスキルを習得します。
Adobe Illustrator
ロゴ、アイコン、イラスト制作など、ベクターデータを使ったデザインの基本を学びます。
(コースによっては)Adobe XD や Figma
UI/UXデザインの設計や、サイトの構造を示すワイヤーフレーム、ユーザーの操作をシミュレーションするプロトタイプの作成方法を学ぶこともあります。
その他にもプログラミングやマーケティングなどの講座もあります。
職業訓練校によって、講座内容は違うので、詳しくは管轄しているハローワークをチェックしてみてください。
受講日程
職業訓練校のウェブデザイン講座は日時が固定されています。
授業が行われるのは、平日週5日(月曜日~金曜日)、午前9時~午後4時/5時までが最も多いです。
まれに、育児や介護など特定の事情を抱える方向けに午前中のみ、または午後のみといった「短時間コース」もあります。
ただし、ウェブデザイン講座で短時間コースは比較的少ないです。
訓練期間は3ヶ月~6カ月が多く、近年はオンラインでの受講が可能なコースもあります。
職業訓練校でウェブデザインを学ぶ手順と条件
職業訓練校でウェブデザイン講座を学ぶには申込手続きをする必要があり、受講できる条件があります。
それぞれについて詳しく解説します。
応募から受講までの一般的な手順
1.ハローワークで相談
まずは近くのハローワークでウェブデザインの職業訓練を受けたい旨を申し出ます。
2.コースの説明会参加
募集中のウェブデザイン講座の募集要項を確認し、訓練校が開催する説明会や見学会に参加します。
どのような場所で学ぶのか実際にみることができます。
3.応募書類の提出
受講申込書に必要事項を記入し、ハローワークを通じて訓練校へ提出します。
4.選考
ほとんどのコースで、筆記試験(一般常識、適性検査、PC基礎など)と面接が行われます。Webデザインコースは人気が高く、倍率が高くなる傾向があるため、必ずしも受講できるとは限りません。
5.合否通知と受講開始
選考に合格すれば、指定された日から訓練がスタートします。
職業訓練校でウェブデザインを学べる対象者
雇用保険受給者
会社を退職し、雇用保険(失業手当)を受給する方は「雇用保険受給者」となり、受講対象です。
ハローワークへの求職登録をし、ハローワーク担当者から受講指示または受講推薦を受ける必要があります。
そして、訓練終了後、ウェブデザイナーなど関連する職種への就職を希望していることが前提です。
ただし、過去1年以内に公共職業訓練を受講していたりすると受講できません。
雇用保険を受給できない方が学べる条件
雇用保険を受給できない方でも受講することができます。
雇用保険を受給できない方は以下のような方です。
- 雇用保険の加入期間が短く、受給資格がない方
- 雇用保険の受給期間が終了してしまった方
- 自営業を廃業した方
- アルバイトやパートで雇用保険に加入していない方
- 扶養内で働いている主婦(夫)の方
- 学校を卒業したものの未就職の方
さらに、職業訓練中に月額10万円の給付をうけることもできます。
ただしそれには以下の条件があります。
- 本人の収入が月8万円以下(一部例外で12万円以下の場合あり)
- 世帯全体の収入が月40万円以下(※時期や地域により異なる場合があるため、最新情報はハローワークで確認が必要です)
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 現在住んでいる場所以外に土地や建物を所有していない
- 原則、全ての訓練実施日に出席していること(やむを得ない理由がある場合でも、8割以上の出席率が必須)
- 同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
- 過去に不正受給や支給要件に違反する形で訓練給付金等を受けていないこと
このように生活への不安を減らしながら受講ができます。
職業訓練校でウェブデザインを学ぶメリット
職業訓練校でウェブデザインを学ぶメリットは以下のようなことがあります。
- 受講料が無料(または安価)であること
- 給付金制度を活用し生活の不安を減らせる
- 手厚い就職支援がある
それぞれ詳しく解説します。
受講料が無料(または安価)であること
民間スクールが数十万から100万円以上かかるのに対し、職業訓練校の受講料は原則として無料です。
テキスト代や教材費が負担となる場合もありますが、それでも数万円程度。
スクール費用が高額でスキルアップを諦めていた人にとっては、ウェブデザイナーへの夢が大きく近づきます。
給付金制度を活用し生活の不安を減らせる
特定の条件を満たせば、月額10万円の「職業訓練受講給付金」を受給できます。
これにより、学習期間中の生活費の心配が減り、安心して学習に集中できます。
手厚い就職支援がある
ハローワークと連携した就職サポートがあります。
講座内にも履歴書や職務経歴書の添削や面接対策が含まれており、卒業後の就職活動をスムーズに進めやすくなります。
職業訓練校でウェブデザインを学ぶデメリット
メリットがある一方で、デメリットもあります。
基礎的な内容が中心で、応用や専門性に限りがある
職業訓練校の目的は未経験者が就職するために必要な基礎スキルを網羅的に教えることです。
そのため基礎固めはできますが、トレンドや最新技術、ニッチな分野についてはカリキュラムに含まれていなかったり、深堀されていない可能性があります。
必ずしもウェブ業界に就職できるとは限らない
ハローワークと連携した就職支援は手厚いですが、必ずしもウェブ業界に就職できるとは限りません。
体験談をみると、前職がデザイン関連だった人やなにかしらのウェブ業界に関わりのある人がウェブ業界に就職している傾向です。
多くの場合、未経験からウェブデザイナーへの就職は狭き門となっています。
またフリーランスや副業を目指している場合は、具体的なノウハウについての支援はないことがほとんどです。
なぜならハローワークは「企業への就職」を目的としているためです。
職業訓練校でウェブデザインを学んだあとの就職率
厚生労働省のデータによると、職業訓練全体の就職率は、以下の数字がでています。
- 公共職業訓練(施設内訓練): 約86.0%
- 公共職業訓練(委託訓練): 約69.9%
- 求職者支援訓練(実践コース): 約62.7%
一見かなりの人が就職できているように見えますが、ウェブデザイナーとして就職した数字ではありません。
あくまで職業訓練を受けて「就職できた」という数字であって、ウェブデザイン講座を受けてウェブデザイナーとして就職できた数字ではないです。
卒業生の声や転職市場を見ると、まずはウェブ制作会社のアシスタントやホームページ更新業務がメインといった形でキャリアをスタートさせる人が多いようです。
決してウェブデザイナーとして就職できないわけではありませんが、自主制作やクラウドソーシングで実績を積むなど、自分で進んで積極的なスキルアップが必要です。
職業訓練校でウェブデザインを学ぶことがあっている人
職業訓練でウェブデザインを学ぶことがあっている人は、このような人です。
費用は最小限に抑えたい
できるだけ初期費用を抑えたいと考えている人にとって、受講料が原則無料である職業訓練工は最適です。
条件が満たせれば、月額10万の給付金を受け取りながら学習できるため、経済的な心配を抱えている人にもぴったりです。
ウェブデザイナーとして適性があるか確認したい
まずは大きなお金を払う前に、自分がウェブデザイナーにあっているか、興味を持ち続けられるか確認したいという人にも向いています。
体系的に学びたい
独学だと何から手を付けていいかわからない、モチベーション維持に自信がない、という方にむおすすめです。
カリキュラムは段階的に組まれているので、迷って手が止まることもないですし、決まった時間に受講することで、生活リズムも整えるキッカケにもなります。
同じ目標を持つ仲間と学びたい
同じウェブデザイナーを目指すクラスメイトと学ぶことで情報交換ができたり、グループワークを通じての経験ができたりします。
またお互いにモチベーションを高めあったりすることで、受講完了できる
スクールでウェブデザインを学ぶことがあっている人
民間のウェブデザインスクールは費用がかかりますが、その分、質の高い学習環境と手厚いサポートがあります。
質の高い専門スキルを短期間で習得したい
業界の最前線で活躍する現役デザイナーが講師を務めるスクールが多く、実践的なスキルや最新のデザイントレンド、実務で使えるノウハウを効率的に学べます。
ウェブサイトの企画・設計から実装、運用までかなり実践に近い形で、学ぶことができます。
また、動画学習での学習スタイルが多く、自分のペースで進めることができ、最短1~3ヶ月で基礎スキルを習得することも可能。
より早く、より質が高い学習をしたいという人にぴったりです。
ウェブ業界への転職を成功させたい
多くのスクールでは卒業後の就職支援や個別相談なども充実しています。
スクールによっては就職あっせんや、人脈からの案件依頼なども獲得できる可能性があります。
フリーランスや副業での独立を目指している
ウェブデザインスキルを身につけ、フリーランスとして活躍したい、副業でやっていきたいという人のためのカリキュラムを受けることができるスクールも多くあります。
フリーランスとして活躍するためには、就職・転職とは違った営業戦略や案件獲得ノウハウが必要です。
業界ネットワークを構築したい人
講師が現役ウェブデザイナーというスクールが多いので、受講や交流を通じて、ウェブ業界の人脈を築くことができます。
卒業後の情報交換や仕事の紹介につながる可能性もあります。
スクールと職業訓練校の根本的な違いはコレ
学習の深度の質
職業訓練校は受講費用が原則無料ですが、主な目的は「未経験者がウェブ業界への転職を踏み出すための基礎知識とスキルを網羅的に習得させること」。
カリキュラムは体系的に広範囲に学べますが、個々の技術やトレンドを深く掘り下げたり、応用的な技術を身につけたりするには限界があることが多いです。
一方で民間のスクールは高額な費用がかかる分、市場で求められる即戦力スキルを短期間で身につけることができます。
講師が現役ウェブデザイナーであるため、最新のトレンドや現場で活躍できる具体的なスキルを習得できます。
また、実際のクライアントワークに近いプレジェクト演習があったり、個別のフィードバックを通じて、より実践で通用する力が身につきます。
キャリアパスの多様性
職業訓練校はハローワークと連携し、訓練終了後の早期再就職を目的としています。
履歴書や職務経歴書の添削、面接対策といった一般的な就職サポートはありますが、紹介される求人は必ずしもウェブ業界ではありません。
また、フリーランスや副業での独立支援はほとんど対応していません。
一方民間のスクールは、卒業生のキャリアアップや希望する企業への転職成功に重きを置いています。
業界内の強力なネットワークを活用した求人の紹介や、フリーランスを目指す人への営業戦略や案件獲得ノウハウなども提供してくれるところもあります。
まとめ
職業訓練校のウェブデザイン講座の詳細と、民間スクールの違いについて解説しました。
職業訓練校は費用が抑えられる反面、民間スクールと比べると講座の深度が異なることが多いです。
とはいえ、職業訓練校がダメだということは決してなく、ウェブデザイナーになるための足掛かりとして受講するには十分な内容です。
また費用を抑えつつ、自分に合った職業かを確認したいなら、ウェブデザイナーを目指すかどうか迷っている方にもおすすめです。
一方で、最短最速でウェブデザイナーになりたい、フリーランスや副業として活躍していきたいなスクールのほうがおすすめです。
スクールの中には国の支援金給付で、講座費用の70%が返還されることもあります。
どんなスクールがあるのか知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。